発達障害を抱える人の姿勢はなぜか猫背。首が前傾していて硬い。個人差はあるものの共通している。大事なのは足元。”地に足を付ける”事が健康の基本らしい。
『自閉っこの心身をラクにしよう!睡眠・排泄・姿勢・情緒の安定を目指して今日からできること』
花風社 栗本啓司(聞き手 浅見淳子)著
・必要な土台づくり:姿勢を整えるには足元が大事
親は姿勢が悪いと真っ直ぐにするよう注意するが、直るのは一瞬で、すぐ元に戻る。大事なのは土台である『かかと』『足首』だと言う。まず足首を前後に曲げ伸ばしができるかをチェックする必要があるようだ。足首の関節=蝶番が機能せず使えないと、かかとが地面につかず、つま先立ちになってしまって不安定になるため、頭の位置をづらす事で調整して首が前傾してしまうと言う。
・前傾姿勢:障害特性につながる
前傾姿勢は、東洋的な身体の見方によると頭が前に突き出る事で、脳が過活動になる。常に周りの刺激に反応し続けて疲弊しやすくなる。頭が前傾していると立っているより動いた方が楽で動きたくなり多動につながる。
どのような動作にも意味がある。問題行動ではなく苦しみを取るための自己治療という視点で見ることも大事。叩く場所によって本人の苦しんでいることが分かる。
・快食・快眠・快便=「整った身体」づくりに適したこと
①金魚体操:支援者もリラックスした心身でユラユラと相手の体が揺れるように足元から揺らす。呼吸が深くなったら終了 ➡脱力によって首の座りにも好影響➡聴覚過敏の軽減も
②母指球に自然に力が集まりやすい履物を吐く:鼻緒のある履物・足袋・5本指ソックス (裸足も良い)
③足の指を開く:力を入れ過ぎず、やさしく足の指を1本1本引っ張って開く
④大腿部の裏側を伸ばす:胸が開きやすくなり、呼吸がしやすくなる。汗をうまくかけるようになる。
⑤体を大きくねじる:体が重だるかったり、むくみやすい、お小水が出にくい時、腎臓への良い刺激にもなり循環が良くなる。
『心身は先に身体から整えるのが鉄則』そして『問題行動は自己治癒力』だとしたら、歩き回るのが好きな息子の多動癖も、セロトニンを出して夜よく眠れるように、足の筋肉をつけて土台を作っていけるように、あえて脳が指令を出しているのかもしれない。
イライラして壁を蹴る・叩く行為が多い時は、無理にやめさせようとするより、お布団を丸めてひもで縛り、それを好きなだけ蹴らせたり、叩かせたりする方が本人のためにも家族や支援者にとっても良いことは間違いない。本人と支援者の安全確保は欠かせない。