同じことを伝えるのに有効な言葉と、反対に傷つけて自信を無くさせ、恨まれかねない言葉があります。「悪気はなかった」では済まされない一度口に出した言葉…言葉の使い方一つで、人の行動を変えさせたり、信頼関係を作ることも出来ます。
『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる!声かけ変換』
あさ出版 大場美鈴著
著者の大場美鈴さんは”楽々かあさん”で有名な方です。2014年に「声かけ変換表」がネットで拡散して大反響を呼びました。だからご存じの方は多いはず。発達障害の長男と、グレーゾーンの長女と次男の3人の子育てをされる中で培ってきた効果的な言葉かけや子供に対する視点は肯定的でとても伝わりやすい。限界まで頑張り過ぎず、親子で楽に取り組める子育てを提案してくれています。
・〇〇しちゃだめ➡〇〇しよう (ダメな事よりやって良いことを伝える)
・散らかさないで➡使ったものはこの箱に入れてね(解決策の方に親の視点をフォーカス)
・こーしなさい!➡どうしたらいいと思う?(経験値が貯まってきたら手を離していく)
・〇太郎!〇太郎!➡そばに寄って ねえ、〇太郎:夢中な子には近くまで寄って声かけ
・ちょと~聞いてる?➡見て。あのね…:「見て」の一言で、注目させてから話し始める
・歯磨きしたら、トイレして着替えて…➡歯磨きしようか⇒トイレしよう:指示は1個ずつ
・ちょっと待って➡あと〇分待ってね :あいまいな言葉を超具体的に
・だいたいでいいよ➡大さじ一杯かけて:あいまいな言葉を数値化しイメージ出来るように
・いい加減にしなさい!➡あと何分で終われそう?⇒終われたね:夢中な子供の都合を聞く・多少時間がオーバーしても言葉通りに実行出来たら「終われたね」とフィードバックも
・こぼしてるよ➡鍋にお椀を近づけたらこぼれにくいよ:動き方を具体的に教える
・ランドセル忘れてるよ!➡クイズです。学校に行く時に必要な物なーんだ:クイズにする
etc…以前読んだのにすっかり忘れているなと反省。気になる方は是非読んでみて下さいね。
楽々かあさんは、子供のこだわりの全てを「ワガママ」とひとくくりにしない。わが子に悪気はなくても人の迷惑になったり、本人にとっても不利益になることならしっかりと工夫しながら向き合うけれど、誰の迷惑にもならず、気にならない子供のこだわりは活かす・伸ばす方向にもっていく。世の中の常識も見直している。
親も人間だから、言ってしまって後悔することはある。「ごめんね。言い過ぎた。」と謝って許してもらいながら居心地のいい家庭が作れたらと思う。