「大丈夫、大丈夫」「あなたなら大丈夫」そう優しい笑顔で言われたら自信が持てるし、勇気も出てくる。それが身近で親しい人の言葉なら安心して過ごすことも出来そうです。
でも、私は自閉症スペクトラム障害の息子になかなかそう言ってあげられませんでした。むしろ傷つけるだけでなんのメリットも無い言葉を繰り返し投げかけていました。「何回言えばわかるの?」「普通やらないでしょう。」「いいかげんにして。」と目を吊り上げて怒っていました(反省)
息子の偏桃体に悪影響を及ぼして、改善するどころか悪循環のループに入り込んでいたと今なら分かりますが…
『発達障害治療革命 脳神経内科医からの提言』 花風社 田中伸明著
田中先生は「発達障害」から「神経発達症」と名称が変わり、「神経」がつくなら脳神経内科医の出番であると考えて原因と治療について述べられています。
・田中先生の発達障害論
1全身性の障害である。まずは身体と脳から治す。(土台である身体を優先させる)
2遺伝子の異常ではなく、後天的なエピジェネティクス、遺伝子発現の異常である。後天的であるので、その後、成長期、成人になっても治療可能である。
3神経発達症として「心の解剖学」で理解すれば治療法が見つかる
原因① 多くの神経発達症の人が「ありえない恐怖感」を常に感じている。偏桃体の過活動による鰓弓神経(さいきゅうしんけい)不全が起きている。
治療① 偏桃体を正常化する=「安全安心の状態」を確保して、他人との社会的交流を基盤に感覚、身体運動を行う事が神経発達システムの再構築につながる。鰓弓神経を鍛えるには会話や笑顔のコミュニケーション・百面相・顔へのタッチも効果的
原因② エピジェネティクス=遺伝子の異常のせいではなく、遺伝子の発現の異常のせい
治療② 逆境的小児体験(コロナ下でのストレス環境・物質暴露(農薬や添加物等)・低栄養・機能不全家庭・虐待・ネグレクト・胎児愛着障害・いじめ等)からの影響も見直す。言葉だけの心理療法では治りにくい場合も多い。ソマティックエクスペリエンスやブレインスポッティング、プロセスワーク等の身体心理療法が欧米で広まっている。
・治し方の順番は身体から。脳や心が安定していないうちに行動を改善させることは無理&無駄だと痛感しました。
身体回復期➡心身回復期➡社会回復期➡人間成長期
というのが改善の基本スタイルのようです。